監修者情報

齋藤忠夫さん

Team Proteins株式会社 取締役
東北大学名誉教授・農学博士

齋藤 忠夫

東北大学大学院農学研究科教授を経て、同大学名誉教授。日本の酪農科学および乳酸菌研究を長年にわたり牽引してきた第一人者である。

学術界における基礎・応用研究での多大な功績にとどまらず、現在は株式会社ラクノーヴァの役員として、実践的な食の安全保障と新しい乳製品価値の創造に尽力している。また、現在は国際酪農連盟日本国内委員会(JIDF)会長などを務め、日本と世界の酪農乳業界をつなぐ国際的な要職も担っている。

経歴

1975年
東北大学農学部を卒業後、乳業メーカーの協同乳業株式会社に入社。実際の乳・乳製品の製造現場で実務経験を積んだことが、その後の「実社会に役立つ応用研究」の強い自信と研究志向の原点となった。
1982年
東北大学大学院農学研究科 博士課程後期を修了し、農学博士の学位を取得。その後、東北福祉大学産業福祉学科にて助手・講師として、食品衛生監視員・食品衛生管理者および衛生管理者の養成と教育研究に努めた。
1989年
母校の東北大学大学院農学研究科に助教授として戻り、本格的に乳と乳酸菌の健康科学に関する研究を開始した。
2001年
東北大学大学院農学研究科の教授に昇任。応用微生物学に糖鎖生物工学的視点を加えたミルクオリゴ糖や機能性乳酸菌・ビフィズス菌の研究プロジェクトを牽引し、「腸内有用細菌の免疫活性化機構の解明」など数々の重要な研究成果を社会に発表した。
2016年
農学・食品科学のトップランナーとしての視点を買われ、オエノンホールディングス株式会社 社外取締役に就任。酒類と食品酵素の製造販売の経営企画に参画し、とくに乳糖を分解するラクターゼの発酵培養や活性増強の研究を指導した。
2018年
東北大学名誉教授。長年の研究と教育への貢献が認められ、名誉教授の称号を授与された。
2026年
オエノンホールディングス株式会社 社外取締役を退任。Team Proteins株式会社の創業に参画し、フードテックや生物工学、ITやデジタル分野の専門家たちと共に同社を立ち上げ、取締役に就任した。これまでの実績をベースに、次世代の食の安心・安全を支える新たな挑戦をスタートさせている。

主な研究成果・学術的業績

東北大学時代を中心として、乳・乳製品や乳酸菌、ビフィズス菌が持つ健康への付加価値を科学的に証明する革新的な研究を数多く主導し、現在の機能性ヨーグルトや乳製品開発の礎を築いた。

  • 「生体防御食品」の開発基盤の構築乳業用乳酸菌のDNAが、腸管M細胞を介して免疫を活性化するメカニズムを解明した。株式会社明治の機能性ヨーグルト「LG-21」および「R-1」の研究開発に参画。腸内有用細菌の免疫活性発現機構を応用した「生体防御食品」の開発研究をいち早く推し進め、プロバイオティクス研究に大きな影響を与えた。
  • 新規・血圧降下ペプチドの発見と利用熟成型チーズやヨーグルト中の乳タンパク質分解ペプチドの中から、血圧を下げる働き(AT1受容体阻害活性)を持つ新規の機能性ペプチドを単離することに成功し、その実用化・利用に向けた研究において多大な成果を挙げた。
  • 国内外の学会におけるリーダーシップアジア乳酸菌学会連合(AFSLAB)や日本酪農科学会(JDSA)の会長を歴任し、乳酸菌および酪農科学分野の発展を牽引した。現在は両学会ならびに日本農芸化学会のフェロー、日本乳酸菌学会の名誉会員として、学界全体の発展を支え続けている。

主な著書・受賞

主な著書

「チーズの科学」「酵素ハンドブック」「最新畜産物利用学」「畜産食品の事典」「食品機能性の科学」「ミルクの事典」「学術情報リテラシー」「動物資源利用学」「現代チーズ学」「畜産物利用学」「ミルクの先端機能」「食糧の百科事典」「医科プロバイオティクス学」「腸内細菌の応用と市場」「乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス」など約50冊。

受賞

乳酸菌、ビフィズス菌、腸内細菌を応用した機能性食品の基礎および応用研究に対し、日本酪農科学会賞(1998)、日本畜産学会賞(2002)、日本畜産学会優秀論文賞(2008・2010・2012)、日本学術振興会(JSPS)第1回科学研究費優秀審査員賞(2008)、国際酪農連盟日本国内委員会(JIDF)第3回光岡賞(2012)などを受賞。

現在の主な活動と役割

長年の研究で培われた「知恵」と、社会に点在する「データ」を結合させ、次世代の食文化を支える変革の旗振り役を担っている。

  • 株式会社ラクノーヴァ 役員2023年、宮城県蔵王町にナチュラルチーズ工房「Cheese Atelier Mozzao」を構える同社(Lac=ミルク+Nova=新しい+Value=価値)を設立。同社の役員として、高品質なチーズや乳製品の製造を指導している。宮城県では初のチーズ製造会社の設立となり、蔵王産の生乳など地域資源を活かした新たな価値創造をバックアップしている。本チーズ工房で製造されるチーズは、3年連続してAll Japan Natural Cheese Contestなどで受賞している。
  • JIDF 会長/Jミルク 国際委員会委員長日本の酪農・乳業の発展を目的とする一般財団法人Jミルクの国際委員会委員長、および国際酪農連盟日本国内委員会(JIDF)の会長として、最新の学術研究や国際的な動向を捉え、日本の酪農乳業界の国際化と発展を力強く先導している。
  • Team Proteins株式会社 取締役2026年、将来のタンパク質危機に備えた多面的な食品研究や食品の安心・安全を守ることを信念として活動する、「食品衛生のよろず屋」を掲げる会社を設立。同社の役員として、自身の深い専門知見を活かし、世界中の膨大な情報を精査・体系化している。正しい知識をもとに未知の不安を安心へと変え、最新のIT・デジタル技術と融合させた新たな食品衛生・安全管理ツールの協働開発なども、委託先を介して推進している。

マスコミ出演

NHK「あさイチ」「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」「コンテナ全部開けちゃいました」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、テレビ東京「主治医の見つかる診療所」、TBS「健康カプセル元気の時間」などに出演。

アドバイザー企業

食品衛生のよろず屋

Team Proteins株式会社

Team Proteins株式会社は、「食品衛生のよろず屋」として、食の安全と人々の喜びを支える企業である。
食品衛生に関する課題の調査・精査をはじめ、専門家の知見を生かした改善策の提案、実践的な教育プログラムの紹介、既存の方法では解決が難しい課題に向けた新たなツールの協働開発を展開。人・情報・技術をつなぎ、誰もが安心して食を楽しめる未来づくりに貢献している。

teamproteins.com