
仕事前のランニング後、朝活イベント、休日のブランチ会。そこでビールではなく、プロテインドリンクや高たんぱくスムージーで「乾杯」する場面が、少しずつ想像しやすくなっています。
大きな流行とまでは言い切れませんが、ノンアル飲料の選択肢が増え、健康志向の投稿がSNSで共有されやすい今、「飲まない社交」と「栄養補給」が近づいているようです。
朝プロテインで乾杯とは何か

ここでいう「朝プロテインで乾杯」は、お酒の代わりにプロテインを飲むという単純な置き換えではありません。
朝の運動、出社前の交流、カフェでのミートアップなどで、たんぱく質を含むドリンクを片手に集まるスタイルを指します。
背景にあるのが、ソバーキュリアスという考え方です。飲める人も、あえて飲まない日を選ぶ。飲み会ではなく、朝の軽いイベントでつながる。そうした空気の延長で、ノンアルカクテルや0.00%ビールだけでなく、プロテインシェイクも「場をつくる飲み物」として捉えられる余地があります[1]
なぜ広がりやすいのか

理由は、社交・栄養・SNSの相性にあります。
夜の飲み会は楽しい一方で、アルコール量や翌日の予定が気になる人もいます。厚生労働省の飲酒ガイドラインでも、飲む場合は純アルコール量を把握し、自分に合った飲み方を考えることが示されています[2]。
その点、ノンアルコールの場は「飲む人も飲まない人も参加しやすい」雰囲気を作りやすいと考えられます。IWSRも、10の主要市場でノー/低アルコール飲料市場が伸びる見通しを示しており、飲み方の選択肢は広がっているようです[3]。
もう一つは、朝のたんぱく質補給です。日本人を含む研究では、たんぱく質摂取が夕食に偏り、朝食が少なめになりやすい傾向が報告されています[4]。 粉末プロテイン、高たんぱくヨーグルト、豆乳ベースのスムージーなどは、朝食を重くしたくない人にも取り入れやすい選択肢です。
楽しむときの注意点

ただし、プロテインで乾杯すれば健康的、と決めつけるのは避けたいところです。
たんぱく質は体づくりや日々の食事に関わる栄養素ですが、1日の食事全体で考えるものです。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、たんぱく質維持必要量として0.66g/kg体重/日を用いています[5]。運動量、体格、食事内容によって必要量は変わるため、商品1本だけで判断しない方が現実的です。
また、甘味料、糖質、脂質、カフェイン、乳成分や大豆などのアレルゲンも確認しましょう。ノンアルコール飲料も、0.00%なのか微アルなのかで意味が変わります。妊娠中、服薬中、持病がある人は、表示や医療者の指示を優先してください。
まとめ|朝の一杯は、社交と栄養の入口になる
朝プロテインで乾杯する流れは、お酒を否定するものではありません。むしろ、夜の飲み会以外にも人とつながる選択肢を増やす動きとして見ると自然です。
ランニング後にシェイクで乾杯する。カフェで高たんぱくスムージーを選ぶ。オンライン朝活でお気に入りのプロテインを見せ合う。そんな小さな習慣は、栄養補給を少し楽しくし、社交のハードルを下げるかもしれません。
「飲む」から「整えて集まる」へ。朝のプロテインは、ノンアル時代の新しい乾杯ドリンクとして、これから注目される余地があります。

参考文献
[1] Mintel Japan「ソバーキュリアスなZ世代を惹きつける3つの方法」
確認日:2026年6月10日
[2] 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38541.html
確認日:2026年6月10日
[3] IWSR「Growth of $4bn+ Expected from No-Alcohol Category By 2028」
URL:https://www.theiwsr.com/insight/growth-of-4bn-expected-from-no-alcohol-category-by-2028/
確認日:2026年6月10日
[4] Shinto T, et al.「Relationship Between Protein Intake in Each Traditional Meal and Physical Activity: Cross-sectional Study」
URL:https://publichealth.jmir.org/2022/7/e35898/
確認日:2026年6月10日
[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
確認日:2026年6月10日