
冷凍したお肉を解凍した際や、買ってきたお肉のパックの底に溜まっている「赤い汁」。見た目が血液のように見えるため、不安に感じる方や、品質が悪くなったのではないかと心配する方もいらっしゃるかもしれません。結論からお伝えすると、この赤い汁の正体は血液ではありません。
本記事では、この赤い汁の正体と発生する理由、そしてお肉の旨味を逃がさずに解凍するポイントについて解説します。
赤い汁の正体は「ミオグロビン」を含むドリップ

お肉から出る赤い汁は「ドリップ」と呼ばれ、血ではなくお肉の細胞内から流れ出た細胞液です。ドリップが赤く見えるのは、筋肉細胞内に含まれる「ミオグロビン」という赤い色素たんぱく質が水分とともに溶け出しているためです[1]。
食肉は加工される段階でしっかりと血抜きが行われているため、市販のパック詰めされたお肉に血液が残っていることはほとんどありません。ドリップのなかにはたんぱく質やビタミン類などのうまみ成分や栄養素が含まれており、これらが過剰に流れ出てしまうと、お肉のパサつきや風味の低下につながります。
なぜ解凍時にドリップが出るのか?

お肉を冷凍すると、内部の水分が凍って氷の結晶となります。この結晶が大きくなると、お肉の細胞組織を傷つけてしまうことがあります。そして解凍する際に、傷ついた細胞から溶けた水分と一緒にミオグロビンなどの成分が外へ流れ出すため、ドリップが発生します[1]。
つまり、細胞をなるべく傷つけず、ドリップの量を抑えることが、お肉を美味しく食べるための重要なポイントになります。
ドリップを抑えて美味しく解凍するコツ

ドリップの発生を最小限に抑えるためには、温度変化をゆるやかに保つ解凍方法が適しています[2]。
冷蔵庫での低温解凍
最もおすすめなのは、冷蔵庫に移してゆっくりと解凍する方法です。低温でじっくり解凍することで、肉の表面と中心部の温度差を小さくし、細胞へのダメージを減らして肉汁が外に逃げにくくなります。調理する6時間〜2日前に冷蔵庫へ移しておくとスムーズです[3]。
氷水解凍
急いで解凍したい場合は、氷水解凍が効果的です。お肉を密閉できる保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから氷水に浸します。水は空気よりも熱を伝えるスピードが早いため、冷蔵庫よりも早く解凍できます。また、低温を保てるためドリップの流出や細菌の増殖も抑えられます。
なお、室温での自然解凍は、表面から急激に温度が上がるためドリップが出やすいだけでなく、食中毒の原因となる細菌が増殖する恐れがあるため推奨されていません[2]。
肉を水洗いするのはNG!安全な調理のポイント

ドリップが気になって、お肉を直接水洗いしようと考える方もいるかもしれませんが、お肉の水洗いは避けてください。水洗いによって、生肉に付着している可能性のある食中毒菌などがシンク周辺に飛び散り、ほかの食材や調理器具を汚染してしまう危険性があるためです[2]。
ドリップが気になる場合は、水洗いはせずに、清潔なキッチンペーパーなどで軽く押さえるように優しく拭き取ってから調理するのが安全です。
まとめ
お肉から出る赤い汁は、血液ではなくミオグロビンという赤い色素を含んだ細胞液(ドリップ)です。ドリップが過剰に出るとお肉の旨味が損なわれてしまうため、冷蔵庫や氷水を利用して、低温を保ちながら解凍することが大切です。また、ドリップを落とすための水洗いは避け、キッチンペーパーで拭き取ってから安全に美味しく調理しましょう。

参考文献
[1] 公益財団法人 日本食肉消費総合センター 新しい食の潮流
URL:https://www.jmi.or.jp/publication/publication_detail.php?id=325
確認日:2026年6月17日
[2] 農林水産省 aff 2022年12月号 調理器具・調理編
URL:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2212/spe1_02.html
確認日:2026年6月17日
[3]ふるさと納税 冷凍肉の解凍方法7選|時短テクニック・ドリップを防ぐコツ・NG方法まで徹底解説(2026/5/13)
確認日:2026年6月17日