
アレルゲンと表示ミスがリコールの過半数を占める

プロテイン製品のリコール原因には、健康被害に直結しやすいアレルゲン表示漏れや包装ミス、製造工程での異物混入などがある。消費者庁が公表した「食品表示法に基づく自主回収の届出状況」によると、食品表示法に基づく自主回収の回収理由では、アレルゲンに関するものが全体の半数超を占める。プロテインパウダーやプロテインバーは、乳や大豆、ナッツ類など複数のアレルゲンを同一工場内で扱うことが多く、注意が必要となる。
主なリコール原因と事業者が取るべき管理ポイント

事業者向けに、リコールの主原因を4つの領域に分類し、実務上の対策を詳説する。
アレルゲン表示の欠落と包装エラー
プロテイン製品において対策を要するのがアレルゲン管理である。近年、国内市場ではプロテインバーにおける「アーモンド」の表示欠落など、アレルゲン表示漏れに伴うCLASSⅠの自主回収が発生している。
これらの発生要因は、包材の切り替え時における「ラベルの貼り間違い」や「印字機の入力漏れ・誤入力」といったヒューマンエラーが大半を占める事実が報告されている[1]。対策として、包装ラインにおけるバーコード照合システムの導入や、多品種切り替え時における残資材管理といった一般衛生管理の徹底が挙げられる。
製造工程における異物混入
粉末の充填ラインや成形ラインにおける金属片、プラスチック片、虫などの異物混入も重大なリスクとなる。厚生労働省の食品衛生法関連のリコール事例紹介では、令和3年6月1日〜令和4年2月28日時点の速報値として、異物混入が11.7%と示されている。
粉体を取り扱うプロテイン工場では、一般衛生管理プログラムに基づき、マグネットフィルターや金属検出器、X線異物検出装置を設置したうえで、機器の定期的な感度点検まで製造ワークフローに組み込むことが有効だ。
表示ミスと成分規格不適合
パッケージで謳う栄養成分の不適合や、システム上の連絡不備による配合違い、消費期限の誤表示もリコールに繋がる。例えば、パッケージ記載の成分が実際の製品に配合されていなかったことに起因する自主回収などがある。食品表示法およびHACCPの観点から、配合表の変更連絡フローの文書化や、出荷前における定期的な成分分析体制の構築が有効だ。
品質管理エラー
バータイプのプロテイン製品では、物流や保管時における「保存温度帯の逸脱」による自主回収事例が確認されている[2]。また、水分活性の管理不足による腐変・変敗のリスクも想定される。製造から流通、保管に至るサプライチェーン全体での温度・湿度管理の標準化と、異常検知時の即時報告体制を整えることが有効だ。
信頼の基盤となる自主回収報告システムの活用
2021年6月より、食品衛生法・食品表示法に基づく自主回収の報告は義務化されている。事業者は、厚生労働省・消費者庁の「食品衛生申請等システム」や「リコール情報サイト」を通じて自社の事例だけでなく、同業他社のリコール原因を公表情報から随時確認し、傾向を把握することが可能である。他社の事故事例を自分事化し、一般衛生管理計画やHACCPプランの検証、見直しに活かすことが、有効なリコール対策の1つになる。

参考文献
[1] 消費者庁. 食品表示リコール情報及び違反情報サイト.
URL: https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_recall
確認日:2026年6月26日
[2] 消費者庁. 消費者安全法に基づく重大事故等以外の消費者事故等の事故情報データバンク登録について.
URL: https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms201_251009_02.pdf
確認日:2026年6月26日
[3] 厚生労働省. 食品等のリコール公表情報.
URL: https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000914633.pdf
確認日:2026年6月26日