
CCP(Critical Control Point:重要管理点)は、HACCPにおいて特に厳重な管理が必要な工程であり、食品の安全性を確保するために危害要因を除去・低減させる、極めて重要な工程を指す。
後続の工程でその危害を除去・低減できないため、HACCPにおける「最後の砦」であり、例として、加熱殺菌や金属検出がある。
CCPの定義と役割

CCPの正式名称と意味
CCPはCritical Control Pointの略称であり、日本語で「重要管理点」と訳される。
HACCPの手順7(原則2)に該当する。手順6(原則1)の危害要因分析によって特定されたリスクのうち、この工程以降にリスクを除去・低減できる工程がない場合にCCPに分類される。
CCPの役割
CCPを決定し、集中的に管理することで、食中毒や異物によるけがなどにつながる危害要因を管理し、リスクを低減することができる。
HACCPとCCPの関係(全体像把握)

ここでは、CCPを理解するうえで不可欠なHACCPについて説明する。
HACCPの正式名称と意味
HACCPは、Hazard Analysis Critical Control Pointの略称であり、日本語で「危害分析及び重要管理点」と訳される。
原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程で危害要因を予測する。
特に重要な工程(CCP)を連続的に監視することで、製品の安全性を確保しようとする、国際的に認められた衛生管理の手法である。
CCPの決定方法・手順(メイン)

危害要因分析表からの仕分け
厚生労働省によるCCPの決定方法は以下の通りである。
(1)第1欄に原材料や工程を工程番号順に列挙する。製造工程図に沿って危害要因(ハザード)分析をするために、第1欄を縦に埋める。
(2)第2欄を工程1から順に原材料や工程に関連があると考えられる潜在的なハザードを、HACCPチームの経験や知識をもとに列挙する。
(3)第2欄で工程ごとに列挙されたハザードが重要である(HACCPプランで管理する必要があるハザード)か判断し、第3欄にYes(○)かNo(×)を記入する。また、第4欄に判断した根拠を記入する(第3欄、第4欄を工程1から順に進める)。第3欄がYesとなった重要なハザードは、どこかの工程をCCPにして管理する必要がある。
(4)第5欄に第3欄でYes(○)としたハザードの管理手段を記入する。第3欄がNoだった工程は、第4欄に根拠が記入されるので、第5欄への記入はしない。
(5)次はCCPの決定である。第5欄まですべて埋まったら、再び工程1に戻る。第5欄に記載した管理手段が、以降の工程にもあれば、その工程は重要管理点(CCP)とはならない(第6欄はNoにする)。
以降の工程に管理手段がなければ、その工程がCCPとなる。
| (1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) |
| 原材料/工程 | この原材料/工程に関連があると考えられる潜在的なハザードを すべて記載する |
この工程で、 侵入、増大、 除去される潜 在的なハザー ドは重要か? (Yes/No) |
(3)欄の決定を下した根拠を記す
|
(3)欄で重要と認められたハザードを予防、除去、低減するために適用できる管理手段は何か? | この工程 はCCPか? (Yes/No) |
参照:厚生労働省 食品製造におけるHACCPによる衛生管理普及のためのHACCPモデル例
デシジョンツリー(決定系統樹)による判断
上記の決定方法の他にデシジョンツリーがある。
デシジョンツリーはデシジョンツリーは、判断の流れを整理しながらCCP候補を検討しやすくする方法である。
内容自体は厚生労働省による決定方法と類似しているが、図として理解しやすいという特徴がある。

出典:PHP人材開発 第4章 CodexのHACCP手順7原則2~手順12原則7 重要管理点と運用
上図のデシジョンツリーはあくまで一例である。考案者によって質問内容に相違があるため、自社工程に合ったものを選ぶことが必要である。
代表的なCCPの具体例

食品の生産過程で、特にCCPとしてあげられやすい工程を2つ紹介する。
加熱殺菌工程
加熱殺菌工程は、食品に存在する微生物を減少させ、保存性を設計するうえで重要な工程である。加熱殺菌過程は、食品に存在する微生物を減少させ、あらかじめ設定しておいた賞味期限や消費期限を保証するために、非常に重要な工程である。
この工程は、食品の生産過程の中で後半に位置しており、後続の工程で危害要因を除去・低減することが難しいため、CCPとして決定されやすい。
金属検出機工程
金属検出機工程は、金属異物を検出するために設定された工程である。
金属検出機を製品が通過する際の磁界の変化をもとに、異物の有無を識別することができる。
この工程も加熱殺菌工程と同様に、生産過程の中で後半に位置しており、後続の工程で危害要因を除去・低減することが難しい。
X線検査装置工程
X線検査装置工程では、X線検査装置工程は、金属のほか、ガラス・石・骨・一部のプラスチックなどの異物検出にも用いられる工程である。
また、検出にとどまらず、個数検査、形状検査、かみ込み検査もあわせて行える場合がある。
ただし、異物の種類や製品条件によって検出しやすさが異なるため、金属検出機との併用が有効な場合がある。
CCP決定後に必要な実務
CCPは決定するだけではなく、科学的根拠に基づく運用が不可欠である。
手順8(原則3)管理基準(CL)の設定
ここでは、手順7で決定されたCCPをどのような基準のもとで管理するかを決める手順である。
具体的な例として、加熱殺菌工程では、製品や工程に応じて、殺菌温度や保持時間などの管理基準を設定する必要がある。
手順9(原則4)モニタリング方法の設定
ここでは、CCPが管理基準を満たしていることを連続的にまたは相当の頻度で監視し、結果を記録する手順である。
具体的な例として、例えば加熱殺菌工程では、所定温度への到達、保持時間、加熱開始・終了時刻などを確認し、モニタリング記録に残す方法を設定する。
まとめ
CCPは、HACCPにおいて食品安全上のリスクを管理するために特に重要な工程である。
また、決定したCCPは、「科学的根拠に基づく管理基準の設定」「迅速なモニタリング」をセットで構築することが不可欠である。

参考文献
[1]神戸市食品衛生協会 10.一般衛生管理について
https://fha-kobe.jp/haccp/knowledge/qa10/
[2]一般財団法人 食品産業センター 第4部 HACCAPに基づく衛生管理
https://haccp.shokusan.or.jp/wp-content/uploads/2018/06/e-tool-m-6.pdf
[3]厚生労働省 HACCAP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html
[4]厚生労働省 食品製造におけるHACCP入門のための手引書
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000098994.pdf
[5]厚生労働省 食品製造におけるHACCPによる衛生管理普及のためのHACCPモデル例
[6]Register Corp HACCPにおける重要管理点のマスター:包括的なガイド
https://www.registrarcorp.com/ja/blog/food-beverage/food-safety/critical-control-points/
[7]PHP人材開発 第4章 CodexのHACCP手順7原則2~手順12原則7 重要管理点と運用
https://hrd.php.co.jp/atch/tra/ALD-2.pdf
[8]一般社団法人食品経営支援協議会 HACCPの7原則12手順 【原則2(手順7)】必須管理点の決定
[9]Anritsu株式会社 「金属検出機」と「X線異物検出機」の併用のススメ
https://www.anritsu.com/ja-jp/product-inspection/knowledge-center/technical-note/vol2
[10]株式会社バーテック 【前編】衛生管理の質を向上!金属検出機・X線検査機の仕組みと活用法
https://burrtec.co.jp/sanitary/knowledge/burrkinta_burrkinta-x/
[11]キンケンのススメ X線異物検出機とは?金属検出機との違いを紹介