レジスタントプロテインとは?レジスタントスターチとの違いと食品素材としての可能性

レジスタントプロテインとは?レジスタントスターチとの違いと食品素材としての可能性

Protein hub編集部 編集部

原料・素材
レジスタントプロテインとは?レジスタントスターチとの違いと食品素材としての可能性

消化されにくい「タンパク質」をどう理解するか

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レジスタントスターチとの比較で理解しやすい成分

レジスタントプロテインとは、消化酵素で分解されにくく、人の小腸で吸収されにくいタンパク質画分を指します。英語の「resistant」は「抵抗性がある」という意味で、この場合は消化への抵抗性を表します。一般的なプロテインのように「すばやく消化・吸収される栄養補給用タンパク質」と見るよりも、レジスタントスターチと同じく「消化を免れて大腸側に届きうる食品成分」と考えると理解しやすくなります。

比較対象になるレジスタントスターチは、難消化性でんぷんのことです。J-STAGE掲載のレビューでは、レジスタントスターチは小腸での消化を免れて大腸に到達するでんぷん画分として説明されています。つまり、レジスタントスターチが「消化されにくいでんぷん」であるのに対し、レジスタントプロテインは「消化されにくいタンパク質」と整理できます。

ただし、レジスタントプロテインは「食物繊維のような働きが期待される成分」として研究されている段階です。論文では、食物繊維やレジスタントスターチに似た食品設計上の可能性が示されていますが、同時に、ヒトでの有用性や大腸に届いた後の影響については、さらに検証が必要とされています。

規格・理論:食物繊維様でも、食物繊維そのものとは扱いが異なります

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レジスタントスターチとの比較

項目

レジスタントプロテイン

レジスタントスターチ

主成分

タンパク質画分

でんぷん画分

別名・説明

難消化性タンパク質

難消化性でんぷん

消化のされ方

消化酵素で分解されにくく、小腸で吸収されにくい

小腸での消化を免れ、大腸に到達する

理解のポイント

「吸収されるプロテイン」ではなく、「食物繊維様の性質を持ちうるタンパク質」と見る

食物繊維に近い働きが研究されているでんぷん

研究の進み方

食品設計・腸内発酵・代謝影響などは研究途上

食後血糖応答や大腸発酵などで研究蓄積が比較的多い

素材例

酒粕、甘酒、そば末粉、大豆製品など

米飯、じゃがいも、豆類、高アミロースでんぷんなど

表示・訴求の注意

公的な摂取基準や表示項目と同一視しない

レジスタントスターチでも、添加と置換では根拠の扱いが異なる

レジスタントプロテインを「たんぱく質」としてだけ見ると、通常のプロテイン訴求と混同しやすくなります。重要なのは、消化されにくい性質です。食品設計では、タンパク質の栄養補給というより、食物繊維様の物性や大腸側での挙動をどう評価するかが論点になります。レジスタントプロテインの難消化性には、タンパク質の構造、疎水性、βシート構造、架橋、糖質との相互作用、加熱・発酵・押出などの加工条件が関わる可能性があります。

制度面では、食物繊維とレジスタントプロテインを同じ扱いにしないことが大切です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維について年齢・性別ごとの目標量が示されています。たとえば18~29歳では、男性20g以上、女性18g以上が目標量として示されています。一方で、レジスタントプロテインについては、この記事で確認した公的資料の範囲では、食物繊維と同じような摂取目標量として扱う根拠は確認できません。

栄養成分表示でも注意が必要です。消費者庁の栄養成分表示ガイドラインでは、表示例として熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、糖質、糖類、食物繊維、食塩相当量などが示されていますが、「レジスタントプロテイン」という項目を通常の栄養成分表示項目としてそのまま扱う前提ではありません。商品で訴求する場合は、分析方法、根拠資料、表示場所、広告表現を個別に確認する必要があります。

レジスタントスターチについても、単に「入れればよい」とは言えません。FSANZのレビューでは、食後血糖上昇との関係について、消化性でんぷんをレジスタントスターチに置き換える条件と、レジスタントスターチを追加する条件を分けて検討しています。食品素材として考える場合、成分量だけでなく、食品全体の設計や置換関係まで見て根拠を整理することが重要です。

食品素材・商品企画での見方

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素材例と訴求時の表現例

レジスタントプロテインは、酒粕や甘酒、そば末粉、大豆製品などで研究されています。甘酒については、米由来の難消化性タンパク質であるレジスタントプロテインが存在し、機能性に関与している可能性があるとする報告があります。 市販甘酒を対象に、レジスタントプロテインであるプロラミン量を測定した研究もあります。

食品素材としては、未利用資源の活用という視点もあります。埼玉県産業技術総合センターの研究では、そば末粉に含まれるレジスタントプロテイン量を確認し、石臼挽きの末粉で100gあたり1.86g、ロール挽き製粉の6倍以上だったと報告されています。同研究では、製粉時の熱の影響でレジスタントプロテイン量が低下する可能性も示され、食品素材として利用する際は加熱条件などの検討が必要とされています。機能性を表示する商品にする場合は、通常食品、機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品を混同しないことが前提です。機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づき特定の保健の目的が期待できる旨を表示できる制度であり、届出内容は消費者庁のウェブサイトで確認できます。

まとめ

レジスタントプロテインは、消化されにくいタンパク質成分です。レジスタントスターチと比較すると、わかりやすい成分です。ただし、通常のプロテイン、食物繊維、レジスタントスターチ、機能性表示食品の制度を混同しないことが重要です。

食品素材としては、酒粕・甘酒・そば末粉・大豆製品などに可能性があります。商品化では、含有量、分析法、加工条件、味や外観への影響、表示・広告の根拠整理が必要です。現時点では研究中のカテゴリがある場合も存在するため、これからの研究動向にも注意が必要となるでしょう。

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参考文献

Zannini E. et al. “Resistant Protein: Forms and Functions”, Foods, 2022
https://www.mdpi.com/2304-8158/11/18/2759
確認日:2026年6月8日

J-STAGE “Starch Intake and Health - physiological effects of resistant starch
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdf1997/3/2/3_2_55/_article
確認日:2026年6月8日

Food Standards Australia New Zealand, resistant starch systematic review

https://www.foodstandards.gov.au/business/labelling/Resistant-starch-and-peak-postprandial-blood-glucose-concentration
確認日:2026年6月8日

消費者庁「機能性表示食品について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims
確認日:2026年6月8日

消費者庁「栄養成分表示のためのガイドライン 第5版」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/business/assets/food_labeling_cms206_250403_12.pdf
確認日:2026年6月8日

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
確認日:2026年6月8日

厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/kenkou_shokuhin00.pdf
確認日:2026年6月8日

J-STAGE「甘酒中のレジスタントプロテインの機能性解析について」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/117/9/117_627/_article/-char/ja/
確認日:2026年6月8日

J-STAGE「市販甘酒中のレジスタントプロテインであるプロラミン量の測定」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/116/10/116_719/_article/-char/ja/
確認日:2026年6月8日

埼玉県産業技術総合センター「そば末粉が有する機能性成分の有効利用に関する研究」

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/265584/r05-07-soba_sueko.pdf
確認日:2026年6月8日