
筋トレやランニングを続けていると、「プロテインは運動後すぐ?」「空腹でトレーニングしてもよい?」「糖質は太りそうで避けるべき?」と迷いやすくなります。
結論から言うと、栄養摂取のタイミングで意識したいのは、運動前は「動くための燃料」、運動後は「回復の材料」です。プロテインだけを急いで飲むより、1日のたんぱく質量、糖質、水分、食事間隔を合わせて考える方が実践しやすくなります。
運動前後の栄養はこの3つで考える

栄養摂取のタイミングは、次の3つに分けると迷いにくくなります。
1. 運動前:糖質を中心に、必要なら少量のたんぱく質
2. 運動後:たんぱく質20〜40gを目安に、糖質も合わせる
3. 1日全体:たんぱく質を3〜4時間おきに分けて摂る
運動する人のたんぱく質摂取について、1回あたり20〜40g、または体重1kgあたり0.25g程度を目安にし、3〜4時間ごとに分ける考え方があります[1]。つまり、「運動後30分以内だけ」が勝負ではありません。
運動前に意識すること

2〜3時間前は主食を抜かない
運動前に時間があるなら、主食を抜かずに食べるのが基本です。ご飯、パン、麺類などの主食は、運動中に使うエネルギー源になります。
例えば、夕方にジムへ行く日は、昼食でご飯や麺を極端に減らしすぎない方が動きやすくなります。筋トレ前に力が入らない、途中で集中力が落ちるという人は、運動前の糖質不足が関係している場合があります。
脂質の多い揚げ物や、量の多い食事は胃もたれにつながることがあります。運動前に時間がある場合は「食べる量」と「消化のしやすさ」も見て調整します。
直前は軽い糖質で十分
運動30〜60分前に空腹を感じる場合は、軽く糖質を入れると動きやすくなります。
例:
・バナナ
・小さめのおにぎり
・ゼリー飲料
・スポーツドリンク
HPSCは、スポーツゼリー・ジェルを「糖質」を主成分とし、運動中の摂取タイミングとして紹介しています[2]。短時間の運動なら必須ではありませんが、空腹で力が出ないときの補助として使いやすい選択肢です。
運動中は水分を基本にする

1時間程度の筋トレや軽い運動なら、水分補給を基本に考えます。汗を多くかく日、長時間の運動、屋外での運動では、糖質や電解質を含む飲料も候補になります。
HPSCは、スポーツドリンクについて、水分・糖質・電解質を含み、運動時の脱水による水分補給に適していると説明しています。また、運動時に摂取する飲料の糖質濃度は3〜8%、食塩濃度は0.1〜0.2%が適切な範囲として紹介されています[3]。
一方で、甘い飲料を何本も飲むと糖質量が増えやすくなります。短時間のジム利用では水、長時間・大量発汗ではスポーツドリンク、と使い分けると現実的です。
運動後に意識すること

プロテインは「食事までのつなぎ」として考える
運動後は、たんぱく質を含む食品を摂るタイミングです。HPSCでは、プロテインサプリメントは、運動後すぐに食事がとれないときの補食や、就寝前のたんぱく質補給に利用できると紹介されています。[4]
ただし、プロテインは必ず飲まなければならないものではありません。帰宅後すぐに食事ができるなら、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などでたんぱく質を摂る方法でも問題ありません。
英国栄養士会(BDA)は、鶏肉、魚、卵、牛乳、ギリシャヨーグルトなどについて、約20gのたんぱく質を含む食品量の例を示しています[5]。プロテイン1杯だけに頼らず、食品でも同じように考えられます。
運動後は糖質も合わせる
筋トレ後にプロテインだけで済ませる人もいますが、運動量が多い日や翌日もトレーニングする日は、糖質も合わせて摂る方が食事として整います。
例:
・プロテイン+おにぎり
・牛乳+バナナ
・ご飯+鶏肉+野菜
・ヨーグルト+果物+パン
糖質は運動で使ったエネルギーの補給に、たんぱく質は体を作る材料に関わります。どちらかだけに偏らず、「主食+主菜」の形へ戻すと分かりやすくなります。
夜トレ後は食べてもいい?

夜に運動した後も、何も食べないまま寝る必要はありません。夕食をまだ食べていないなら、軽めに主食と主菜をそろえます。
ただし、寝る直前に脂っこい食事や大盛りの食事をすると、胃が重くなることがあります。夜トレ後は、脂質を控えめにして、消化しやすい内容にすると続けやすくなります。
例:
・ご飯少なめ+焼き魚+味噌汁
・うどん+卵
・プロテイン+バナナ
・ヨーグルト+果物
これらのように、夕食でたんぱく質が不足している日や、食事を作る時間がない日は、補助として使えます。
まとめ
栄養摂取のタイミングで迷ったら、運動前はエネルギー、運動後は回復の材料と考えます。プロテインは便利ですが、食事の代わりではなく、不足を補う道具です。
時間にこだわりすぎず、「運動前に動ける状態か」「運動後に食事まで空きすぎないか」を基準にすると、日常のトレーニングに取り入れやすくなります。

参考文献
[1] Jäger R, et al. “International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise”. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2017. Volume 14. no 20.
https://link.springer.com/article/10.1186/s12970-017-0177-8
[2] 日本スポーツ振興センター. スポーツフード&サプリメントの種類.
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/grouping/tabid/1493/Default.aspx
[3] 日本スポーツ振興センター. スポーツドリンク.https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1494/Default.aspx
[4] 日本スポーツ振興センター. プロテインサプリメント. https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1497/Default.aspx
[5]British Dietetic Association - BDA - 「Sport and exercise」
https://www.bda.uk.com/resource/sport-exercise-nutrition.html